バックアップ

どのような手順で作業をすれば問題なく作業を完了できるかは書かれているし、場合によっては問題が起きた際の復旧手順もあるかもしれない。ただ、どうして問題が起きるのか、どのような問題が起きるのか、なぜその手順でなければならないのか。

確かに言われたとおりにするというのは簡単であるし、文系はこれを素直に受け入れる。理系は、理由を求めたがるが、理解度を見れば言わずもがなだ。

バックアップは機械的な障害時にのみ存在するものであってはならない。なぜなら人間は必ず失敗するからだ。

素人である顧客は、マニュアルを確認する技術者を見て不安を覚えるが、玄人は必ずマニュアルを確認する。同じように元気のある新人もマニュアルを確認しないが、玄人ほど良い意味で自分を信用していない。

だから、完璧な仕事ができるわけで、結局はそれが信頼につながる。できる、できないではなく、当然のように完璧にこなすというのは、なかなか難しいものだ。

予備のあるものなら少しは安心だが、生身はなかなかそうもいかないし、そうしてはいけない。自分の経験を充実させるため、失敗が許されるうちに、思い切り失敗すればいいし、そうしなければならない。

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