「システム」

私が作成したシステム（条件として彼らとは違う畑のもの）について指摘を受けた際、それを目の前で数秒内に修正した時、同席していた顧客はともかく、同業者まで思わず声を上げたことを今でも覚えている。

一体何が不思議なのか不明だが、よくよく考えれば、彼らが修正を行う場合は、特別な環境で修正して、修正版を出力する必要があり、これには時間を要するから魔法を使ったかのように見えたのだろう。

彼らにとって、修正することは大変な作業のようで、修正する環境を維持することも大変なようだ。だから、利用端末のオペレーティング・システムや依存するモジュールが変更されると大騒ぎになる。

騒いで解決できるなら未だマシな方で、途方に暮れることも少なくない。

これは、作成者が退職したり倒産したりして、修正を行えるものがないほか、時代に合わせて開発者の環境が変化したため、過去のシステムを修正できないことが原因だ。

一方で、私たちの作成するシステムは、だれでも利用でき、その設計図を容易に入手することができるほか、自分で修正することもできるし、機能を付加することも当然にできる。当然にできるから、彼らがなぜできないのか首を傾げてしまうのだが。

もちろん、私達のシステムが常に完全に未来永劫利用可能とは言い切れないけれど、大胆な変更をあまり必要としない。それに、新しいものが好きな暇を持て余した誰かが、この問題を解決するための変更を作成、開示してくれることも多い。

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