余程のことだったのでしょう

しばらくぶりに会った友人と、どういうわけか色恋のはなしになった。

話題もいろいろと話したものだから、前後も覚えていない。

数少ない覚えていることのひとつは次のようなものだった。

「あなたは見放す事などしないと感じている」

それは、同時に、私が見放したのだから、余程のことだったのでしょうという意味も含まれている。

ただ、彼女がそのように感じていたというのは、嬉しくもある。

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誰に対してもだけれど、限られた人以外には、詳細を話すことはないし、誰にも言わないかもしれない。

まして、それを言い放った人間は、かつてそのような位置にあった人だから、なんとも微妙なものだ。

おそらくそのようなことを思っているのは私だけなのだろうけれど、うやむやにするわけでもなく、それはそれとしてはっきりと認識している事も知っているから、話題を避けたりもする。

今のように、(その点を除けば)何ら普通の友人として接せられるのは、結果として彼女に頼っている部分が大きいとも感じている。

未練があるとかそういうことは全く無いけれど、彼女は可能な限り普通であるようにしてくれるが、未だに私は彼女の名前を呼ぶことができない。

繊細な彼女は、そういうところをすべて承知しているのだろうと思うと、余計に情けなく思う。

By: Pascal

これからの季節、皆で集まろうかとも話すけれど、ぽっと出てきたその場所は、10年ぶりくらいに彼女と再開した場所でもある。

とは言え、そもそも選択肢も限られているし、どれを選んでも何かしらの記憶はあるのだが。

仲間で集まるわけだから、皆何を言うわけでもないけれど、事情は重々承知している。

ただただ普通にしようと勤める姿は、皆にどのように映っただろうか。

少なくとも、そうすることが暗黙のルールであるし、それについて何かを言う事もルール違反であるから、「場」は保たれる。

一仕事終えたとき、何も言わずに肩に手を掛けた野郎は、当時、私が強く威嚇した人間だ。

無言だったり一言だったりするけれど、私は、思いもよらぬ友人から助けられ、同時に多くを教えられる。

私のようなどうしようもない人間が、そういう仲間に出会えたことは、すでに沙汰がないとしても生涯の宝であるととても強く感じている。

たまたま偶然に合致しているに過ぎないのだが、彼女の甘えるそれと、それを好む私は、都合の良い時間つぶしなのだが。もちろん、私がそれを好むのは、彼女に限ったわけでもない。

それから、これも私に限ったことではないけれど、なかなか言わない私の情報を「カマ」をかけて取り出すのが上手だ。残念ながら私はそれを上手にかわすことが今でもできない・・。もちろん、それは彼女に限ったことではないが。

「仕返し」ではないけれど、以前に話していた内容と、それから今回の少しの会話と、それから私から引き出された内容とが前提として存在していて、彼女は少しばかり意味のあるような相槌を打った。

だが、私は、今回それを意図して拾わなかった。どのような意味が込められたものかは知らないけれど、引き出された内容と私の進行中の行為からすれば、少なくとも今は、何か言った所で意味を成さないから。

私は、彼女の幸せを真に願えるし、普通の友人としていられることが嬉しい。

少なくとも嫌われてはいないのでしょうから。

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